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相続公開: 2026年4月11日最終更新: 2026年5月16日

相続税の基礎控除はいくら?|3,000万円+600万円×法定相続人の計算式と申告が必要なケース【2026年版】

相続税は全員にかかるわけではない

「親が亡くなったら相続税を払わないといけないのでは」と不安に思う方は多いですが、実際に相続税の申告が必要になるのは、亡くなった方のうち約8〜9%程度です。残りの90%以上の方は、基礎控除の範囲内に収まるため、申告も納税も不要です。

では、自分の場合は申告が必要なのかどうか。それを判断するための第一歩が「基礎控除額」の計算です。

この記事で分かること

  • 基礎控除額の計算式と相続人別の具体例
  • 遺産総額に含めるべき財産(不動産・有価証券・保険金等)
  • 申告が必要になる4つの典型的ケース
  • 申告期限10ヶ月を過ぎたときのリスク(配偶者控除が使えなくなる等)
  • 「うちは関係ない」と思いがちな誤解パターン

基礎控除額の計算方法

相続税の基礎控除額は、以下の計算式で求めます。

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

相続人の数が多いほど控除額は大きくなる仕組みです。代表的なケースを表にまとめます。

法定相続人 人数 基礎控除額
配偶者のみ 1人 3,600万円
配偶者+子1人 2人 4,200万円
配偶者+子2人 3人 4,800万円
配偶者+子3人 4人 5,400万円
子2人(配偶者なし) 2人 4,200万円
兄弟姉妹3人 3人 4,800万円

故人の遺産総額がこの金額を超えなければ、相続税はかかりません。逆に超える場合は、申告が必要になる可能性が高くなります。

なお、法定相続人の数え方には注意が必要です。相続放棄をした人もカウントに含めること、養子は実子がいる場合は1人まで(いない場合は2人まで)など、特殊なルールがあります。

遺産総額に含まれるもの

基礎控除額と比較する「遺産総額」には、現金・預貯金だけでなく、以下のものが含まれます。

不動産(土地・建物)は路線価や固定資産税評価額で評価されます。時価の7〜8割程度になることが多いため、「自宅の市場価格が5,000万円だから基礎控除を超える」と慌てる必要はありません。実際の評価額はそれより低くなるケースがほとんどです。

預貯金は死亡日時点の残高です。複数の口座にある場合は合算します。株式・投資信託などの有価証券は、死亡日の終値等で評価されます。

生命保険の死亡保険金は、受取人固有の財産ではありますが、「500万円×法定相続人の数」を超える部分は相続税の課税対象になります(みなし相続財産)。

その他、自動車、貴金属、骨董品なども評価の対象です。一方、借金やローンの残債、葬儀費用、固定資産税の未払い分などは遺産総額からマイナスできます。

申告が必要になる4つのケース

以下のような場合は、基礎控除を超える可能性が高いため、早めに税理士に相談することをお勧めします。

ケース1:故人が不動産を所有していた

特に都市部の一戸建てやマンションは、土地だけで数千万円の評価になることがあります。預貯金と合わせると基礎控除を超えるケースは珍しくありません。地方でも、農地や事業用不動産がある場合は要注意です。

ケース2:複数の金融口座に預貯金がある

故人が几帳面にお金を貯めていた場合、合算すると想定以上の金額になっていることがあります。複数の銀行・証券会社に分散している場合は、必ず全口座を確認してください。

ケース3:生命保険の保険金額が大きい

死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を超える契約があった場合、超過分は遺産総額に加算されます。複数社の保険に入っていた場合は、合算して判定します。

ケース4:相続人が少ない

配偶者だけ、子1人だけの相続の場合、基礎控除が3,600〜4,200万円と低めです。都市部に持ち家があるだけで超えるケースもあります。


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申告期限は10ヶ月

相続税の申告・納付の期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。この期限を過ぎると、延滞税や加算税が発生するだけでなく、配偶者控除(1億6,000万円まで非課税)などの特例が適用できなくなるという重大なリスクがあります。

相続税 10 ヶ月の流れ
0日 相続発生 起算点 3 ヶ月 相続放棄期限 財産調査 5 ヶ月 税理士相談 推奨 遺産分割 10 ヶ月 申告・納付期限 SAFE WINDOW ⚠ 10 ヶ月を 1 日でも超えると 配偶者控除(1.6 億円)が使えなくなる 数百万円〜数千万円の追加税負担になりうる、最も避けるべき期限

配偶者控除を使えば実質的に納税額がゼロになるケースでも、期限内に申告しなければその特例自体が使えません。数百万円〜数千万円の差が出ることもあるため、「たぶん大丈夫だろう」と放置するのは危険です。

10ヶ月という期間は、葬儀後の感情整理や他の手続きを進めながらでは、決して長くありません。遺産総額が基礎控除を超えそうな場合は、4〜5ヶ月目あたりまでに税理士に相談しておくと余裕を持って進められます。

よくある誤解

「うちは関係ない」と思っていたら申告が必要だったケース

  • 「両親とも普通の会社員だったから」→ 退職金・生命保険・自宅評価額を合算したら基礎控除超え
  • 「貯金しかないから簡単」→ 複数口座を全部出したら4,000万円超え
  • 「子どもがたくさんいるから大丈夫」→ 都市部の不動産があり、結局超えた
  • 「相続放棄するから税金は無関係」→ 放棄しても他の相続人の納税には影響、生命保険金は別枠で課税対象

「相続税が発生する」と思っていたら不要だったケース

  • 「自宅5,000万円+預金2,000万円」→ 自宅の評価額は3,500万円程度で、基礎控除内
  • 「土地が3,000万円ある」→ 借金もあり、差し引きで基礎控除内

判断は素人では難しいため、不安な場合は無料相談を受け付けている税理士事務所も多いので活用してください。

まずは概算で当たりをつけたい方へ

「自分のケースで相続税がかかるのか/いくらくらいか」をざっくり知りたい場合は、相続税の概算ツールをご利用ください。遺産総額・配偶者の有無・子の人数などを入力するだけで、国税庁の公式計算式に基づく概算額を表示します。

⚠ あくまで概算です。小規模宅地等の特例・生命保険非課税枠・各種控除は反映していないため、正確な税額は税理士にご相談ください。

➡ 相続税の概算ツールを使う

まとめ

相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算できます。遺産総額がこの金額を超えなければ、申告も納税も不要です。

ただし、不動産がある場合や預貯金が多い場合は、想定以上に遺産総額が膨らむことがあります。判断に迷ったら、早めに税理士に相談してください。申告期限の10ヶ月は、思っているより早く過ぎていきます。

なお、相続税の申告は故人の住所地を管轄する税務署で行いますが、並行して必要となる相続放棄(3ヶ月以内)や遺産分割協議書の作成、市区町村役場での各種届出も計画的に進める必要があります。役所窓口は全国47都道府県・市区町村別の一覧から確認できます。

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この記事は一般的な情報提供を目的としています。相続税の申告要否や税額の計算については、必ず税理士にご相談ください。

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よくある質問

Q.相続税の基礎控除はいくらですか?
「3,000万円+600万円×法定相続人の数」が基礎控除額です。相続人1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円、4人なら5,400万円が控除されます。遺産総額がこの基礎控除を超える場合のみ、相続税の申告と納税が必要です。
Q.相続税の申告期限はいつまでですか?
相続開始(死亡)を知った日の翌日から10か月以内です。期限を過ぎると延滞税・無申告加算税が課されるほか、配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例といった大きな節税制度が使えなくなるリスクがあります。
Q.配偶者は相続税を払わなくていいって本当ですか?
配偶者の税額軽減により、1億6,000万円か法定相続分のいずれか多い方まで配偶者の相続税はゼロになります。ただし軽減を受けるには10か月以内の申告が必須で、二次相続(その配偶者の死亡)まで含めた節税設計が重要です。
Q.生命保険金は基礎控除の対象になりますか?
生命保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります(基礎控除とは別枠)。残額は遺産総額に加算されます。死亡退職金にも同様の非課税枠があります。
Q.申告が必要かどうか自分で判定できますか?
プラス財産(預貯金・不動産・有価証券・生命保険など)からマイナス財産(借入金・葬儀費用など)を引いた金額が基礎控除を超えるかで判定します。みおくりナビの無料の相続税概算ツールで、家族構成と財産を入力するだけで判定できます。

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