みおくりナビ
相続公開: 2026年7月23日

法定相続人とは?範囲と順位をわかりやすく整理|配偶者・子・親・兄弟姉妹【一覧表つき】

相続手続きは「誰が相続人か」の確定から始まる

相続の手続きは、「誰が相続人なのか」を確定するところから始まります。遺産分割の話し合いも、銀行の相続手続きも、相続登記も、相続人全員が確定していることが前提です。

この記事では、民法で定められた「法定相続人」の範囲と順位を整理します。全体像をつかんでから個別の手続きに進むと、迷いがぐっと減ります。

この記事で分かること

  • 配偶者と血族相続人の関係(配偶者は常に相続人)
  • 血族相続人の順位(子 → 直系尊属 → 兄弟姉妹)と代襲相続
  • 法定相続分の一覧表
  • 内縁・元配偶者・養子・相続放棄をめぐるよくある誤解
  • 相続人を戸籍で確定させる方法

基本の原則:配偶者は常に相続人

まず、亡くなった方(被相続人)に配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人になります。ここでいう配偶者は、法律上の婚姻関係にある方です。

そのうえで、配偶者と「並んで」相続人になる血族が、次の順位で決まります。

血族相続人の順位

第1順位:子

被相続人に子がいれば、子が相続人です。子がすでに亡くなっている場合は、その子(被相続人から見て孫)が代わりに相続します(代襲相続)。

第2順位:直系尊属(父母・祖父母)

子も孫もいない場合は、父母が相続人になります。父母がともに亡くなっていて祖父母が存命なら、祖父母です。

第3順位:兄弟姉妹

子・孫も直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が相続人です。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子(甥・姪)が代襲相続しますが、兄弟姉妹の代襲は一代限り(甥・姪まで)が原則です。

上の順位の人が1人でもいる場合、下の順位の人は相続人になりません。

法定相続分の一覧表

民法は、遺言がない場合の取り分の原則(法定相続分)も定めています。

相続人の組み合わせ 配偶者 血族相続人
配偶者と子 2分の1 2分の1(子が複数なら等分)
配偶者と直系尊属 3分の2 3分の1
配偶者と兄弟姉妹 4分の3 4分の1

これはあくまで原則で、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で異なる分け方に合意することもできます。合意した内容は遺産分割協議書にまとめます。個別の事情がある場合の判断は、司法書士・弁護士・税理士などの専門家に相談するのが確実です。

よくある誤解を整理

内縁のパートナーは法定相続人ではありません。 長年連れ添っていても、法律上の婚姻関係がなければ法定相続人にはならないのが原則です。パートナーに財産を遺したい場合は、遺言書の作成などの生前の備えという選択肢があります。

離婚した元配偶者は相続人ではありませんが、その間の子は相続人です。 親の離婚は子の相続権に影響しません。前婚の子も、現在の家族の子と同じ第1順位です。

養子は実子と同様に第1順位の相続人です。 一方、相続税の計算上、法定相続人の数に含められる養子の数には制限があります(実子がいる場合は1人、いない場合は2人まで。特別養子縁組による養子などは実子として扱われる例外があります)。詳しくは国税庁タックスアンサー No.4170「相続人の中に養子がいるとき」の案内や、税理士にご確認ください。

相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとして扱われます。 そのため、たとえば子ども全員が相続放棄をすると、相続権は第2順位(直系尊属)、さらには第3順位(兄弟姉妹)へと移っていきます。放棄を検討する場合は、この「次に誰へ行くか」まで見ておくことが大切です。相続放棄の手続きと期限の目安は相続放棄の期限は3ヶ月で詳しく解説しています。

相続人の確定は戸籍で行います

「うちは家族構成が分かっているから大丈夫」と思っていても、手続き上は、被相続人の出生から死亡までの戸籍をそろえて相続人を確定させる必要があります。銀行や法務局の手続きで必ず求められる作業です。

戸籍の集め方は、戸籍謄本の取り寄せ方広域交付制度の解説で詳しく説明しています。相続手続き全体の流れは、みおくりナビの死後手続きチェックリストでも順番に確認できます。

おわりに

法定相続人の確定は、相続のすべての土台です。まず「誰が相続人か」を戸籍で確かめ、そのうえで遺産分割・名義変更・相続登記へと進んでいく。この順番さえ押さえれば、複雑に見える相続手続きも一歩ずつ進められます。

なお、本記事は一般的な情報提供を目的としています。相続人の範囲や相続分の判断は個別の事情によって異なる場合があるため、迷ったときは司法書士・弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。

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よくある質問

Q.内縁の妻(夫)は相続できませんか?
法定相続人にはならないのが原則です。長年連れ添っていても、法律上の婚姻関係がなければ法定相続人には含まれません。パートナーに財産を遺したい場合は、遺言書の作成などの生前の備えという選択肢があります。具体的な方法は司法書士・弁護士など専門家への相談をおすすめします。
Q.子がすでに亡くなっている場合、孫が相続人になりますか?
はい。子が被相続人より先に亡くなっている場合、その子(被相続人から見て孫)が代わりに相続人になるのが原則です(代襲相続)。なお、兄弟姉妹が相続人になるケースでの代襲は一代限り(甥・姪まで)が原則です。
Q.子ども全員が相続放棄したら、相続はどうなりますか?
相続放棄をした人は初めから相続人でなかったものとして扱われるため、相続権は第2順位の直系尊属(父母・祖父母)、いなければ第3順位の兄弟姉妹へ移ります。順位が移ることで思わぬ親族に影響が及ぶ場合があるため、放棄の前に「次に誰へ行くか」まで確認しておくと安心です。
Q.相続人が誰もいない場合はどうなりますか?
相続人不存在の手続きを経て、最終的に財産が国庫に帰属する場合があります。特別縁故者への分与などの制度もあるため、該当しそうな場合は弁護士・司法書士への相談をおすすめします。
Q.法定相続分と違う分け方をしてもいいのですか?
相続人全員が遺産分割協議で合意すれば、法定相続分と異なる分け方をすることも可能です。法定相続分はあくまで遺言がない場合の原則的な目安です。合意した内容は遺産分割協議書にまとめておきましょう。

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