死亡一時金と寡婦年金とは|遺族基礎年金がもらえない遺族への給付を解説
遺族基礎年金を受けられない遺族のための給付
自営業やフリーランスなど、国民年金だけに加入していた方(第1号被保険者)が亡くなった場合、遺族が受けられる年金は限られます。遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」しか対象にならないため、子がいない夫婦などは受け取れません。
そこで用意されているのが「死亡一時金」と「寡婦年金」です。どちらも、納めてきた国民年金保険料を遺族に少しでも還元するための、第1号被保険者独自の給付です。会社員などの厚生年金については遺族厚生年金をご覧ください。
死亡一時金
死亡一時金は、第1号被保険者として保険料を36ヶ月(3年)以上納めた方が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受け取らずに亡くなり、遺族が遺族基礎年金を受けられない場合に支給されます。
受け取れる遺族は、生計を同じくしていた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹で、この順に優先されます。金額は保険料を納めた月数に応じて決まります。
| 保険料納付月数 | 死亡一時金の額 |
|---|---|
| 36ヶ月以上180ヶ月未満 | 120,000円 |
| 180ヶ月以上240ヶ月未満 | 145,000円 |
| 240ヶ月以上300ヶ月未満 | 170,000円 |
| 300ヶ月以上360ヶ月未満 | 220,000円 |
| 360ヶ月以上420ヶ月未満 | 270,000円 |
| 420ヶ月以上 | 320,000円 |
付加保険料を36ヶ月以上納めていた場合は、8,500円が加算されます。請求の時効は2年と短いため、早めに手続きしてください。請求先は市区町村の役所または年金事務所です。
寡婦年金
寡婦年金は、第1号被保険者として10年以上の保険料納付期間(免除期間を含む)がある夫が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受け取らずに亡くなったときに、妻へ支給される年金です。
支給されるのは、婚姻期間が10年以上継続し、夫に生計を維持されていた妻です。支給期間は、妻が60歳から65歳になるまでの間に限られます。金額は、夫の第1号被保険者期間にもとづく老齢基礎年金額の4分の3です。なお、妻がすでに老齢基礎年金を繰り上げて受給している場合は、寡婦年金は受けられません。
どちらを選ぶか
死亡一時金と寡婦年金の両方の要件を満たす場合は、どちらか一方を選びます。
一般的には、受け取れる総額を比較して有利な方を選びます。たとえば妻が60歳に近ければ、寡婦年金を5年間受け取った合計額が死亡一時金を上回ることもあります。逆に妻がまだ若い場合は、いったん死亡一時金を受け取る選択もあります。判断に迷う場合は、年金事務所で両方の見込み額を試算してもらうと安心です。
請求の方法
死亡一時金は市区町村の役所または年金事務所、寡婦年金は年金事務所で請求します。
必要書類は、請求書、故人と請求者の関係がわかる戸籍謄本、住民票、故人の年金手帳や基礎年金番号がわかるもの、請求者の振込先口座がわかるものなどが基本です。死亡一時金は時効が2年と短いので、ほかの年金手続きと一緒に早めに確認しておきましょう。
まとめ
死亡一時金と寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者が亡くなり、遺族が遺族基礎年金を受けられない場合のための給付です。死亡一時金は納付月数に応じて12万円〜32万円の一時金(時効2年)、寡婦年金は10年以上納付した夫を亡くした妻に60〜65歳の間支給されます。両方に該当する場合はどちらか一方を選択するため、年金事務所で有利な方を試算してもらうとよいでしょう。
なお、本記事は2026年時点の一般的な情報です。受給要件や金額は個別事情で異なるため、年金事務所にご確認ください。
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