緊急対応2026年5月8日

夜中・深夜に家族が亡くなったら|病院・自宅・施設別の連絡先と動き方

▼ 最初の判断(3秒で)

  1. 病院・施設なら:看護師・職員の指示にまず従う
  2. 自宅でかかりつけ医がいるなら:深夜でも主治医に連絡(往診してもらえる)
  3. 自宅でかかりつけ医がいない・突然死なら:明らかに亡くなっている → 110(警察)/息があるか分からない → 119(救急車)

自宅で発見した場合、ご遺体を動かしたり触れたりせず、警察か救急の到着を待ちます。

はじめに

深夜や早朝に家族の異変に気づいたとき、頭が真っ白になって何をすべきか分からなくなるのは自然なことです。日中であれば医療機関や行政の窓口がすぐに動いてくれますが、深夜帯ではそれが難しく、最初の数十分の判断が後の手続きの流れを大きく左右します

特に自宅で異変があった場合は、「119(救急車)か、110(警察)か」「主治医に連絡すべきか」「動かしてもいいのか」など、瞬時に判断すべきことが続きます。

この記事では、深夜・早朝に家族が亡くなったとき(あるいは亡くなっている可能性が高いと感じたとき)に、どこで・誰が・どんな状況なら、どこに連絡すべきかを整理します。

この記事で分かること

  • 場所別(病院・施設・自宅)の連絡先と動き方
  • 119(救急車)と110(警察)の使い分け
  • 自宅で発見したときに絶対にやってはいけないこと
  • 検視・死体検案書の流れと費用
  • 深夜帯に対応してくれる葬儀社の選び方

連絡先の判断フロー(全体像)

まずは判断の全体像を一枚で確認してください。

深夜・早朝に家族の異変に気づいたときの判断フロー。場所(病院・施設/自宅)と、自宅の場合はかかりつけ医の有無、さらに心肺停止か死亡が明らかかで、看護師の指示・主治医への連絡・119救急車・110警察のいずれかを選ぶ。最終的に24時間対応の葬儀社へ搬送依頼となる。自宅で発見した場合は遺体を動かさない・触れない・衣服を変えないことが重要。

ここから先は、フローの各ケースを詳しく見ていきます。すでに状況が当てはまっているケースだけ読んでも大丈夫です。

ケース1:病院・施設で亡くなった場合

入院中の病院や、入居中の介護施設・有料老人ホームで亡くなった場合は、まず医療スタッフ・施設職員の指示に従うのが基本です。

  • 病院では当直医が死亡確認を行い、死亡診断書を発行します。
  • 施設では多くの場合、提携する医師が往診し、同様に死亡確認・診断書発行となります。
  • ご遺体の搬送先(自宅/葬儀社の安置施設)を決めるよう促されます。

ここから先の流れは、日中に病院で亡くなった場合とほぼ共通です。詳しくは 病院で家族が亡くなったら を参照してください。

なお、病院・施設はおおむね数時間以内のご遺体搬送を求めるため、深夜であってもこの後の葬儀社手配が必要です。詳細は本記事末尾の「24時間対応の葬儀社の選び方」をご覧ください。

ケース2:自宅で、かかりつけ医がいる場合

定期的に在宅医療を受けていた、あるいは持病で通院していて担当医が決まっている場合は、深夜でも主治医(または訪問診療チーム)に連絡します。

  • 多くの在宅医療チームは24時間対応の連絡窓口を持っており、当日中に往診して死亡確認をしてくれます。
  • 死亡が確認されると、その場で死亡診断書が発行されます。
  • 病死であれば警察介入は不要です。

主治医への連絡先(24時間電話番号)は、診療を始めた段階で渡されている用紙やカードに書かれていることが多いです。在宅医療の場合は、「もしものときの連絡先」がパンフレットなどにまとまっているはずなので、平時のうちに確認しておくと安心です。

連絡後は、医師の到着を待ちます。可能であれば、ご遺体は寝かせたままにして、故人が直前まで使っていたものはそのままにしておくと、医師の確認がスムーズです。

ケース3:自宅で、かかりつけ医がいない・突然死の場合

これがもっとも判断に迷うケースです。判断の分岐点は 「息があるか分からない」か「明らかに亡くなっているか」 です。

息があるか自信を持てない場合 → 119(救急車)

呼吸停止が明らかでない、心肺停止の判断に自信が持てない、まだ温かい——こうした場合は 119(救急車)を呼んで医療的な蘇生を優先します。

  • 救急隊が到着して心肺蘇生を行い、必要に応じて病院へ搬送されます。
  • 病院で死亡が確認された場合は、その病院で死亡診断書(または死体検案書)が発行されます。
  • 救急隊が到着した時点で死亡が明らかと判断された場合は、警察に引き継がれます。

明らかに亡くなっている場合 → 110(警察)

呼吸も脈もなく、体が冷たくなっている、死後硬直が始まっている——こうした明らかな死亡状態であれば、110(警察)に連絡します。

  • 警察官と警察医(または監察医)が到着し、検視が行われます。
  • 事件性がないと判断されれば、死体検案書が発行されます。
  • 自宅で亡くなった場合にかかりつけ医がいないケースでは、検案書の発行が一般的です。

どちらか迷ったら 119 を優先

判断に迷ったら、119を優先してください。蘇生の可能性を残せますし、救急隊が状況を確認したうえで警察への引き継ぎを判断してくれます。「110を呼ぶべきだった」と後から思っても、責められることはありません。

絶対にやってはいけないこと

特に自宅で発見した場合、警察や救急の到着までにご家族がやってしまいがちで、やってはいけないことがあります。

  • ご遺体を動かす
  • ご遺体に触れる(衣服を整えるなど含む)
  • 着替えさせる
  • 入浴中なら浴槽から出す
  • 散らかったものを片付ける

これらを行うと、警察が事件性の有無を判断するのを妨げ、検視に余分な時間がかかる原因になります。最悪の場合、犯罪の疑いをかけられ、司法解剖まで進んでしまうこともあります。

「家族をきれいにしてあげたい」「最期くらい整えてあげたい」というお気持ちは自然なものですが、検視が終わるまではそのままにしてください。検視後、葬儀社の手配が始まれば、エンゼルケア(死後の処置)として丁寧に整えてもらえます。

検視・検案の流れと費用

警察を呼んだ場合、現場では以下のような流れになります。

  1. 警察官による現場確認(30分〜1時間程度)
  2. 警察医・監察医による検案(外表検査)
  3. 事件性の判断:事件性なし → 死体検案書発行/事件性疑い → 司法解剖
  4. ご遺体の引き渡し:到着から数時間〜半日程度

検案の費用

死体検案書の発行費用は 3〜10万円程度が相場で、地域や検案を行う医師によって幅があります。これに加えて、ご遺体の搬送料金や検案料が別途かかる場合もあります。費用は遺族の負担となるのが一般的です。

なお、犯罪性が疑われる司法解剖になった場合の費用は国が負担します。事件性なしと判断された後の行政解剖については、自治体によって一部または全額を負担してくれる場合があります。

検案中はご遺族の精神的な負担が大きい時間帯ですが、事件性なしの判断が出るまではご遺体に触れないことを徹底してください。

24時間対応の葬儀社の選び方

検視・検案が終わったら(あるいは病院・施設で死亡確認が終わったら)、ご遺体を搬送する葬儀社を手配します。深夜帯であっても葬儀社は基本的に24時間体制で電話を受け付けています。

深夜の連絡で気をつけたいこと

  • 時間外加算:22時〜翌朝5時の搬送は、数千円〜数万円の深夜料金が加算されるのが一般的です。
  • 病院紹介の葬儀社で即決しない:病院紹介の葬儀社は紹介料の分だけ費用が高くなる傾向があり、平均で10万円以上の差があるとされています。詳しくは 病院で家族が亡くなったら のステップ3を参照してください。
  • 「搬送だけ依頼する」も選択肢:その葬儀社に葬儀本体まで頼むかは、後日落ち着いて決めても構いません。ただし安置先がその葬儀社の施設になると後で変えにくくなる点には注意してください。

「すぐ来てください」と言われたら

葬儀社の担当者から「今すぐお伺いします」と言われた場合でも、家族で次に来る人を1人決めて、玄関で迎える準備だけしておけば十分です。あとは到着後に流れを案内してくれます。

平時のうちに葬儀社を1〜2社調べておくのが理想ですが、間に合わなかった場合は、24時間対応の葬儀社比較サービスに電話するという手段もあります。これらは深夜でも複数社の見積もりや搬送手配を仲介してくれます。

翌朝以降の流れ

ご遺体を安置先に搬送できたら、深夜の長い数時間はいったん区切れます。翌朝以降は、葬儀の打ち合わせと並行して、各種手続きを進めることになります。

緊急性の高い対応は、最初の24時間にまとめて /saisho でも確認できます。

つまずきやすいポイント

(1) 焦って遺体を動かしてしまう

最も多い失敗です。「楽な姿勢にしてあげたい」「布団をかけてあげたい」と思っても、警察または救急の到着までは現状維持を徹底してください。

(2) 検視で半日かかる想定をしていない

警察への連絡から、検案書の発行・ご遺体の引き渡しまで、4〜6時間以上かかることも珍しくありません。深夜にスタートして翌朝にようやく葬儀社の搬送、というケースもあります。連絡を取る親族にもこの旨を伝え、ゆとりを持たせておくと安心です。

(3) 病院紹介の葬儀社で即決してしまう

「とにかく早く搬送してほしい」という焦りで、見積もりも比較せずに病院紹介の葬儀社に決めてしまい、後から相場より高いと気づくケースが多発しています。搬送だけお願いして、葬儀本体は別途検討するという選択肢も覚えておいてください。

(4) 死亡診断書/死体検案書のコピーを取り忘れる

役場に死亡届を提出すると、原本は手元に戻ってきません。提出前に10枚程度のコピーを取ること。葬儀社が代行してくれるケースもあります。

(5) 検案費用の現金準備が間に合わない

死体検案書の費用は数万円〜十万円規模で、その場で現金支払いを求められる場合があります。当日中にすべて支払えなくても、後日精算が可能なケースが多いので、その場で対応できなくても焦らず相談してください。

おわりに

深夜・早朝という時間帯は、判断する側の体力も気力も削られている時間帯です。判断を間違えても、後から取り返せるものがほとんどです(ただし、ご遺体を動かさないことだけは徹底してください)。

迷ったら 119、明らかな死亡なら 110、かかりつけ医がいるなら主治医。この3つを覚えておけば、最初の判断は乗り切れます。あとは到着した医療スタッフ・警察・葬儀社が、次の段階へ案内してくれます。

みおくりナビでは、ご家族の状況に合わせて必要な手続きを自動で絞り込み、期限つきのチェックリストを作成できます。深夜の混乱が落ち着いた後、何から手をつけるか迷ったときの整理に役立てていただければ幸いです。

どうかご自身の体調も大切にしながら、無理のないペースで進めてください。

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