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相続手続き公開: 2026年5月13日最終更新: 2026年5月18日

銀行・証券・保険の相続手続き:共通の必要書類4点と、機関ごとの違い

はじめに:複数の金融機関を回るのは大変、でも書類は共通している

身近な方が亡くなった後、銀行・証券・保険・消費者金融など、複数の金融機関で相続手続きを進める必要があります。

「機関ごとに違う書類を全部揃えないといけないのか?」と不安になる方は多いですが、実は必要書類の8〜9割は共通です。違うのは微細な部分(印鑑証明書の発行期限、所定様式の名前、Web受付の可否など)にすぎません。

本記事では、銀行・証券・保険の相続手続きで共通する必要書類4点と、機関ごとの違いを整理して解説します。

最後に、複数機関を効率的に回るためのコツとして「法定相続情報一覧図を最初に作る」方法もご紹介します。

※ 本記事は一般情報の提供を目的としています。期限・必要書類はあくまで一般的な目安であり、最新情報や個別の判断は各機関の公式案内および専門家(司法書士・税理士・行政書士・弁護士等)にご確認ください。

共通の必要書類 4点

メガバンク・ネット銀行・地方銀行・証券会社・生命保険会社・損害保険会社・消費者金融、いずれの相続手続きでもおおむね共通して必要になるのは、以下の4点です。

相続取得書類 共通 4 点セット — 一度揃えれば全機関で使い回せる
最重要
① 法定相続情報一覧図
法務局で 無料 発行・何枚でも取得可
⏱ 最初に作れば後が楽
② 相続人 戸籍・印鑑証明
相続人全員の現在戸籍 + 印鑑証明書(3 ヶ月以内)
📋 通常 1〜2 通ずつ
③ 遺産分割協議書 or 遺言書
相続人全員の実印 + 印鑑証明書、または公正証書遺言
⚖ 法的効力のあるもの
④ 各機関の所定届出書
機関ごとにフォーマットが異なる、要事前取得
📨 機関別に取り寄せ
💡 戦略:法定相続情報一覧図を最初に作る。何百枚にもなる連続戸籍の代わりに、A4 1 枚で全機関に対応可能。法務局で無料・複数枚同時発行可。

1. 法定相続情報一覧図(または被相続人の連続戸籍)

被相続人(亡くなった方)と相続人の関係を証明する書類です。次のいずれかを用意します。

  • 法定相続情報一覧図(法務局で取得、無料で何枚でも発行可)
  • または 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍・改製原戸籍含む)

複数の金融機関を回る場合、法定相続情報一覧図を最初に法務局で作っておくと、各機関に同じ書類を使い回せます。連続戸籍は分厚く何百枚にもなることが多く、機関ごとに原本を提出するのは現実的ではありません。

法定相続情報一覧図は無料で何枚でも発行できるため、最初の手間さえ越えれば後がぐっと楽になります。

2. 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書

相続人全員(配偶者・子・親・兄弟姉妹など)の現在の戸籍謄本と印鑑証明書を用意します。

  • 戸籍謄本:相続人が誰であるかを確定するため
  • 印鑑証明書:相続届に押す実印が本人のものであることを証明するため

印鑑証明書の発行期限は、機関により異なります(後述)。

3. 各機関所定の「相続届」(実印押印)

機関ごとに用意されている所定の様式に、相続人全員(または代表相続人)が署名・実印押印します。

  • 銀行:「相続関係届書」「相続手続依頼書」など
  • 証券:「相続手続依頼書」「移管手続依頼書」など
  • 保険:「死亡保険金請求書」など

呼び方は機関で違いますが、内容は「誰が、何を、どう承継するか」を明示する書類です。

4. 預金通帳・キャッシュカード・保険証券など

被相続人の取引内容がわかるものを用意します。

  • 銀行:通帳・キャッシュカード・各種証書
  • 証券:取引残高報告書・口座開設のしおり等
  • 保険:保険証券・契約書

これらは「故人がその機関にどんな取引をしていたか」を特定するためのものです。手元にない場合でも、本人確認書類と関係証明があれば各機関で照会してくれます。

機関ごとの「微細な違い」5点

共通書類4点に加えて、機関ごとに微妙に異なる部分があります。手続き前に確認すべき項目を整理します。

① 印鑑証明書の発行期限

機関 発行からの期限の目安
メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ) おおむね 3ヶ月以内
ゆうちょ銀行 おおむね 6ヶ月以内
ネット銀行(楽天・PayPay 等) おおむね 3ヶ月以内(一部 6ヶ月)
生命保険会社(第一生命・日本生命 等) おおむね 3ヶ月以内
証券会社(SBI・楽天証券 等) おおむね 6ヶ月以内(機関により異なる)
PayPay証券 発行から 6ヶ月以内

目安として「3ヶ月以内」で揃えておけば、ほぼすべての機関で通る と覚えておけば失敗が少ないです。

3ヶ月を超えそうな場合は、再発行(市区町村役場で1通300円程度)を検討してください。

② 所定様式の名前・記入方法

各機関で「相続届」の名前と書式が違います。

  • 三菱UFJ銀行 →「相続関係届書」
  • 三井住友銀行 →「相続関係届」
  • 楽天銀行 →「相続手続依頼書」
  • 野村證券 →「相続手続依頼書」
  • SBI証券 →「相続手続依頼書」「取引残高証明書発行希望書」

提出前に該当機関の公式サイトから様式をダウンロードして、記入方法も併せて確認してください。自由書式で書いて持っていっても受け取ってもらえません

③ Web受付の可否

近年、Web受付フォームから相続発生を連絡できる機関が増えています。

  • Web受付可:常陽銀行(24時間)、武蔵野銀行(24時間)、ゆうちょ銀行(相続Web案内サービス)、楽天証券(相続WEB受付)、北陸銀行(折り返し電話希望日時を指定)、PayPay銀行・住信SBIネット銀行・auじぶん銀行・GMOあおぞらネット銀行 など
  • 電話または店頭のみ:メガバンク3行、ゆうちょ銀行(連絡のみWeb可)、対面証券(野村・大和・SMBC日興・みずほ証券)の本格相談

Web受付に対応している機関は、後日の郵送+電話確認で完結できることが多く、来店不要で手続きが進みます。

④ 専用ダイヤルの有無

相続専用のフリーダイヤルを持つ機関と、取引店経由が原則の機関があります。

  • 専用ダイヤルあり:三菱UFJ(0120-39-1034)、三井住友(0120-506-177)、ゆうちょ(0120-312-279)、SBI証券(03-4330-9884)、SMBC日興証券(0120-250-878)、岩手銀行(0120-101-121)、京都銀行(075-585-5138)、第一生命(0120-211-157)、日本生命(0120-279-481)、明治安田生命(0120-662-332)、住友生命(0120-307-506)など多数
  • 取引店経由のみ:みずほ銀行、りそな銀行、東邦銀行、群馬銀行、静岡銀行、関西みらい銀行、広島銀行など

専用ダイヤルがある機関は手続きフローが定型化されており、相続専門の担当者がいることが多いため、初動はスムーズです。

⑤ 投資信託・株式・外貨預金がある場合の追加処理

預金口座のみの場合と異なり、投資信託・株式・外貨預金などの金融商品がある場合は、以下が追加で必要になることがあります。

  • 相続人の証券口座(同社内に開設する必要があるケース)
  • 死亡日時点での残高証明書
  • 外貨預金の場合:為替レートの確定書類
  • 上場株式の場合:4ヶ月以内の準確定申告(譲渡所得が出た場合)

外国株式(米国株等)の相続移管は処理時間が長くなる傾向があるため、早めに着手しましょう。

効率化のコツ:法定相続情報一覧図を最初に作る

複数の金融機関で相続手続きを進めるとき、最も効率的な手順は次の通りです。

ステップ1:法定相続情報一覧図を法務局で取得

最寄りの法務局で「法定相続情報一覧図」の交付申請をします。

  • 必要書類:被相続人の連続戸籍・相続人全員の戸籍・住民票(一部)など
  • 費用:無料(複数枚発行も無料)
  • 所要:1〜2週間程度

みおくりナビでは 相続関係説明図 自動作成ツール を無料で公開しています。法務局へ提出する際の下書きとして活用できます(提出時は法務局所定の様式へ転記してください)。

ステップ2:各機関に法定相続情報一覧図のコピーを提出

各銀行・証券会社・保険会社に、コピー(または原本還付を依頼して原本)を提出します。

  • 1枚あれば数十の機関に使い回せる
  • 連続戸籍(数十枚)を機関ごとに渡すより圧倒的に効率的

ステップ3:各機関の所定様式(相続届)を取り寄せて記入

機関ごとに様式は違いますが、内容は似ているため、1〜2機関分の記入経験で要領を掴めます。

ステップ4:相続人全員の印鑑証明書を1セット用意

印鑑証明書も使い回せます。発行から3ヶ月以内のものを用意しておけば、ほぼすべての機関で通ります。

「複数機関の手続きで迷ったら」のチェックリスト

  • ☐ 法定相続情報一覧図を法務局で取得した(または連続戸籍を揃えた)
  • ☐ 相続人全員の戸籍謄本を取得した
  • ☐ 相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内)を用意した
  • ☐ 各機関の所定様式(相続届)を取り寄せた
  • ☐ 預金通帳・キャッシュカード・保険証券などを揃えた

これだけ揃っていれば、銀行・証券・保険のほとんどの機関で相続手続きを進められます。

まとめ:書類は共通、違いは「期限」と「フォーマット」だけ

機関ごとに違うのは、印鑑証明書の発行期限と、所定様式の名前くらい。

書類自体は4点で共通しているので、

  1. 法定相続情報一覧図を法務局で1度作る
  2. 相続人全員の戸籍と印鑑証明書(3ヶ月以内)を1セット用意
  3. 各機関の所定様式に記入

この流れで進めれば、複数の金融機関を効率的に回れます。

迷ったときは、各機関の連絡先・必要書類を一覧で確認できる以下のページもご活用ください。


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よくある質問

Q.銀行・証券・保険の相続手続きで、共通して必要な書類は何ですか?
4 点です。①故人の出生から死亡までの戸籍謄本一式(または法定相続情報一覧図)、②相続人全員の現在戸籍、③相続人全員の印鑑証明書、④遺産分割協議書(または遺言書)。これらは銀行・証券・保険のどの機関でも共通して求められるため、最初に揃えておけば各機関でコピー or 原本還付を依頼して使い回せます。
Q.法定相続情報一覧図とは何ですか?作るメリットは?
法務局に戸籍一式を提出して認証を受ける「相続人関係を 1 枚にまとめた証明書」です。発行費用無料・複数枚取得可。一度作れば各金融機関で戸籍の束を提出する必要がなくなり、A4 1 枚で済むため大幅な効率化に。複数の銀行・証券会社がある場合は必須レベルでおすすめ。
Q.ネット銀行・ネット証券の相続手続きは難しいですか?
対面店舗がない分、書類の郵送やコールセンター対応がメインになります。楽天銀行・SBI 証券・PayPay 銀行など主要ネット金融機関は専用の相続手続きサポート窓口を設けており、必要書類の案内と所定様式の郵送をしてもらえます。手続き自体の難易度は対面店舗と同程度です。
Q.印鑑証明書の発行期限はありますか?
**金融機関によって 3〜6 ヶ月以内が一般的**です。三菱 UFJ・三井住友・みずほは 6 ヶ月以内、ゆうちょ銀行は 6 ヶ月以内、証券会社は 3 ヶ月以内が多い傾向。複数機関に提出する場合、まとめて手続きする前に最新の印鑑証明書を取得しておくと安心。
Q.生命保険金の請求も同じ書類でいいですか?
**生命保険金は別ルールです**。受取人が指定されている場合、相続財産ではなく「受取人固有の権利」として扱われ、遺産分割協議書は不要。請求書類は①保険会社所定の請求書、②死亡診断書のコピー、③受取人の戸籍謄本・印鑑証明書、④受取人の本人確認書類、です。詳しくは [死亡保険金の請求手続き](/blog/seimei-hoken-seikyuu) を参照。

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