介護保険2026年4月26日

介護保険の証の返却完全ガイド|被保険者証・負担割合証・限度額認定証の手続き

はじめに

65歳以上または40歳以上で介護保険サービスを利用していた方が亡くなった場合、介護保険関連の証の返却手続きが必要です。

「介護保険被保険者証」は耳にしたことがあっても、「負担割合証」「負担限度額認定証」まで知っている方は少ないでしょう。また、高額介護サービス費の還付も見落とされがちな手続きです。

この記事では、介護保険関連の手続きを網羅的に解説します。

介護保険の3つの証

1. 介護保険被保険者証

65歳以上の第1号被保険者、または40〜64歳で要介護認定を受けている第2号被保険者に交付される証です。

介護保険サービスを利用する際に必要で、ほぼすべての対象者が所持しています。

2. 介護保険負担割合証

介護保険サービスを利用する際の自己負担割合(1割〜3割)を記載した証です。要介護認定を受けた方全員に毎年交付されます。

所得に応じて負担割合が変わるため、1年ごとに更新されます。

3. 介護保険負担限度額認定証

所得の低い方が施設サービスを利用する際、食費・居住費の自己負担に上限を設ける制度の認定証です。対象者のみに交付されます。

施設入所中の方は所持している可能性が高いです。

返却の手続き

期限

14日以内市区町村役場に返却します。

返却先

故人の住所地の市区町村役場の介護保険担当窓口。

必要書類

  • 故人の介護保険被保険者証
  • 故人の介護保険負担割合証(所持していた場合)
  • 故人の介護保険負担限度額認定証(所持していた場合)
  • 介護保険資格喪失届(窓口で受け取り記入)
  • 届出人の本人確認書類
  • 届出人の印鑑

郵送対応

多くの自治体は郵送での返却にも対応しています。各自治体の介護保険担当課に電話で確認してください。

高額介護サービス費の還付請求

介護保険サービスの自己負担額が月の上限を超えた場合、超過分が還付されます。故人に未請求の還付金がある場合、相続人が請求できます。

対象者

以下のいずれかに該当する方。

  • 要介護認定を受けて介護サービスを利用していた
  • 月の自己負担額が上限を超えていた

自己負担の月額上限(2025年時点)

区分 月額上限
現役並み所得相当 44,400円
住民税課税世帯 44,400円
住民税非課税世帯 24,600円
年金収入80万円以下等 15,000円(個人)
生活保護受給者等 15,000円

請求期限

サービス提供月の翌月初日から2年以内。2年を超えると時効で請求できなくなります。

請求手続き

  1. 市区町村役場の介護保険担当窓口に連絡
  2. 「高額介護サービス費支給申請書」を取得・記入
  3. 必要書類を提出
  4. 審査後、指定口座に振込(通常2〜3ヶ月)

必要書類

  • 高額介護サービス費支給申請書
  • 故人との続柄がわかる戸籍謄本
  • 相続人代表者の本人確認書類
  • 故人の介護サービス利用明細(領収書)
  • 振込先口座情報

ケアマネージャーへの連絡

故人がケアマネージャー(介護支援専門員)に担当されていた場合、速やかに連絡します。

  • ケアプランの終了手続き
  • 利用していたデイサービス・訪問介護等への連絡
  • 福祉用具レンタルの返却
  • 施設入所中の場合は退所手続き

介護用品のレンタル・購入品

介護ベッド、車椅子、歩行器などのレンタル品は、契約していた福祉用具貸与事業者に連絡して返却します。

購入した入浴補助用具、ポータブルトイレなどは、自治体によって引き取りサービスがあります。

介護老人保健施設・特別養護老人ホームの手続き

施設入所中に亡くなった場合、施設側と以下の手続きを行います。

  • 利用料の精算(日割り計算)
  • 預り金の返金
  • 所持品の引き取り
  • 居室の明け渡し

預り金(お小遣い)が数万〜数十万円残っているケースもあるため、必ず精算を確認してください。

介護施設入所中の医療費

施設内で医療サービスを受けていた場合、以下の還付の可能性があります。

高額療養費

医療費の自己負担が月額上限を超えた場合、差額が還付されます。健康保険の種類により請求先が異なります。

  • 国民健康保険:市区町村
  • 社会保険:健保組合または協会けんぽ
  • 後期高齢者医療:後期高齢者医療広域連合

高額介護合算療養費

医療費と介護費の自己負担合計が年間の上限を超えた場合、差額が還付されます。

こちらも市区町村または健保組合への請求が必要です。

まとめ

介護保険関連の手続きは、返却すべき証が複数あり、高額介護サービス費の還付請求もあるため見落としが多い領域です。

14日以内の資格喪失届、2年以内の高額介護サービス費請求という期限を守り、ケアマネージャーや施設との連絡も速やかに行ってください。

みおくりナビのチェックリストでは、これらの介護関連手続きを漏れなく管理できます。

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