介護保険の証の返却完全ガイド|被保険者証・負担割合証・限度額認定証の手続き
はじめに
65歳以上または40歳以上で介護保険サービスを利用していた方が亡くなった場合、介護保険関連の証の返却手続きが必要です。
「介護保険被保険者証」は耳にしたことがあっても、「負担割合証」「負担限度額認定証」まで知っている方は少ないでしょう。また、高額介護サービス費の還付も見落とされがちな手続きです。
この記事では、介護保険関連の手続きを網羅的に解説します。
介護保険の3つの証
1. 介護保険被保険者証
65歳以上の第1号被保険者、または40〜64歳で要介護認定を受けている第2号被保険者に交付される証です。
介護保険サービスを利用する際に必要で、ほぼすべての対象者が所持しています。
2. 介護保険負担割合証
介護保険サービスを利用する際の自己負担割合(1割〜3割)を記載した証です。要介護認定を受けた方全員に毎年交付されます。
所得に応じて負担割合が変わるため、1年ごとに更新されます。
3. 介護保険負担限度額認定証
所得の低い方が施設サービスを利用する際、食費・居住費の自己負担に上限を設ける制度の認定証です。対象者のみに交付されます。
施設入所中の方は所持している可能性が高いです。
返却の手続き
期限
14日以内に市区町村役場に返却します。
返却先
故人の住所地の市区町村役場の介護保険担当窓口。
必要書類
- 故人の介護保険被保険者証
- 故人の介護保険負担割合証(所持していた場合)
- 故人の介護保険負担限度額認定証(所持していた場合)
- 介護保険資格喪失届(窓口で受け取り記入)
- 届出人の本人確認書類
- 届出人の印鑑
郵送対応
多くの自治体は郵送での返却にも対応しています。各自治体の介護保険担当課に電話で確認してください。
高額介護サービス費の還付請求
介護保険サービスの自己負担額が月の上限を超えた場合、超過分が還付されます。故人に未請求の還付金がある場合、相続人が請求できます。
対象者
以下のいずれかに該当する方。
- 要介護認定を受けて介護サービスを利用していた
- 月の自己負担額が上限を超えていた
自己負担の月額上限(2025年時点)
| 区分 | 月額上限 |
|---|---|
| 現役並み所得相当 | 44,400円 |
| 住民税課税世帯 | 44,400円 |
| 住民税非課税世帯 | 24,600円 |
| 年金収入80万円以下等 | 15,000円(個人) |
| 生活保護受給者等 | 15,000円 |
請求期限
サービス提供月の翌月初日から2年以内。2年を超えると時効で請求できなくなります。
請求手続き
- 市区町村役場の介護保険担当窓口に連絡
- 「高額介護サービス費支給申請書」を取得・記入
- 必要書類を提出
- 審査後、指定口座に振込(通常2〜3ヶ月)
必要書類
- 高額介護サービス費支給申請書
- 故人との続柄がわかる戸籍謄本
- 相続人代表者の本人確認書類
- 故人の介護サービス利用明細(領収書)
- 振込先口座情報
ケアマネージャーへの連絡
故人がケアマネージャー(介護支援専門員)に担当されていた場合、速やかに連絡します。
- ケアプランの終了手続き
- 利用していたデイサービス・訪問介護等への連絡
- 福祉用具レンタルの返却
- 施設入所中の場合は退所手続き
介護用品のレンタル・購入品
介護ベッド、車椅子、歩行器などのレンタル品は、契約していた福祉用具貸与事業者に連絡して返却します。
購入した入浴補助用具、ポータブルトイレなどは、自治体によって引き取りサービスがあります。
介護老人保健施設・特別養護老人ホームの手続き
施設入所中に亡くなった場合、施設側と以下の手続きを行います。
- 利用料の精算(日割り計算)
- 預り金の返金
- 所持品の引き取り
- 居室の明け渡し
預り金(お小遣い)が数万〜数十万円残っているケースもあるため、必ず精算を確認してください。
介護施設入所中の医療費
施設内で医療サービスを受けていた場合、以下の還付の可能性があります。
高額療養費
医療費の自己負担が月額上限を超えた場合、差額が還付されます。健康保険の種類により請求先が異なります。
- 国民健康保険:市区町村
- 社会保険:健保組合または協会けんぽ
- 後期高齢者医療:後期高齢者医療広域連合
高額介護合算療養費
医療費と介護費の自己負担合計が年間の上限を超えた場合、差額が還付されます。
こちらも市区町村または健保組合への請求が必要です。
まとめ
介護保険関連の手続きは、返却すべき証が複数あり、高額介護サービス費の還付請求もあるため見落としが多い領域です。
14日以内の資格喪失届、2年以内の高額介護サービス費請求という期限を守り、ケアマネージャーや施設との連絡も速やかに行ってください。
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